物語

東北マニュファクチュール・ストーリーで紹介した団体同士がコラボして、新たな製品が誕生しました。今までなかった、東北被災地発ハンドメイドのドッググッズです。製品を開発した経緯を、デザイナーの久保田さんに伺いました。
愛犬との絆を深めるお洒落なドッグカラー
『東北の手からて』が発足したのは2016年夏のこと。実は、きっかけとなったのは東北マニュファクチュール・ストーリーが開いた『東北手仕事トーク』というイベントでした。東北のいまを伝えるため、東北の食材で料理をつくって提供し、『ワークショップ支援チーム つくるプロジェクト』の久保田さん、『Rinn products』の丹野さんにそれぞれの活動についてお話いただいたのです。

『つくるプロジェクト』の製品『編*花』。全国の家庭の箪笥で眠っていた糸を再利用し、相馬のおばあちゃんたちが編んでいます

『Rinn products』のレザーベルト。福島の工房でひとつひとつ丹念につくりあげています
丹野さんは、製作時に出る革の端切れを有効活用したいという想いを持っていました。一方、久保田さんはそうした行き場のない素材を再生するスペシャリストです。話は弾み、ふたりは後日また会うことに。丹野さんのお誘いにより、気仙沼で自然素材を使ったものづくりやお弁当販売を行っている『VOAR LUZ(ボアラズ)』の佐藤さんも加わり、東北のものづくり談義に花を咲かせました。

気仙沼のおじいちゃん、おばあちゃんが丹精を込めてつくる『ボアラズ』のアイテム
震災から数年経ち、活動を終える団体が増えていること。続けることの大変さと、それでも自分たちは継続したいと思っていること。それぞれの苦労やビジョンを共有する中で、「お互いのスキルやノウハウを活かして何かコラボができないか」と話が発展したといいます。
久保田さん:そのとき私は愛犬を亡くしたばかりで、形見のドッグチャームを腕に巻いていたんですが、「そういう需要はありそうだね」という話になったんです。ドッググッズってちょっとファンシーなものが多いんですよね。そうじゃなくて、飼い主と飼い犬とがお揃いで使えたり、亡くなった後に形見として身につけたりできるような、シンプルだけどお洒落な製品をほしがっている人はきっといるはずだ、と。

愛犬シーちゃんのトレードマークだった編*花つきのドッグチャームを、ブレスレットとして再生
そこから、『Rinn Products』の革製品と『編*花』を組み合わせたドッグカラーが誕生しました。革は4色。そこに、さまざまな色の『編*花』と飾り鋲を加えることができます。販売方法として、好きな組み合わせを選んで自分でつくるワークショップ形式を採用しました。価格はひとつ3,400円。『編*花』を追加で購入し、季節やその日の気分に合わせて付け替えることもできます。名称は『編*花きせかえドッグカラー』としました。
開発後すぐ、友人の縁でミニチュアシュナウザーの飼い主が集うイベント『髭犬祭』に出店することに。端切れの革を使ってシュナウザーを象ったキーホルダーも製作し、名入れできるようにしました。こちらはひとつ1200円(名入れは200円)。ドッグカラーもキーホルダーも、愛犬家からとても喜ばれたといいます。

革の端切れがシュナウザー型革製キーホルダーに生まれ変わりました。名入れも可能です

実際にワンちゃんに巻いてもらってパチリ。アルファベットチャームも付けられます
その後もいくつかの屋外イベントにボアラズ運営で参加し、好評を博しました。今年も『髭犬祭』『earth garden』などイベントを中心に販売していく予定です。
また、新商品の構想も練っているそう。

ドッグカラーと色違いの編*花ブレスレットでさりげなくお揃いにするのも◎
久保田さん:愛犬とお揃いのものや、愛犬の愛用品をリメイクしたものを身につけると、いつもそばにいてくれているような気持ちになります。身近に感じて安心できる、というか。購入してくれた方もとても喜んでくださって、私たちも嬉しくなりました。
震災後、東北ではたくさんの製品が生まれましたが、愛犬家向けの商品は今までありませんでした。製品を通して、今まであまり接点のなかった人たちに東北のことを知ってもらえたら、と思っています。
製品はメールでも注文できるとのこと。愛犬家のみなさん、東北支援にもつながるドックグッズを手にとってみませんか?
● 東北の手からて
フェイスブックページ:https://www.facebook.com/tohokunotekarate/
メールアドレス:tohokunotekarate@gmail.com
●ワークショップ支援チーム つくるプロジェクト
フェイスブックページ:https://www.facebook.com/TuKuRu.PJT/
過去記事:http://www.tohoku-manufacture.jp/story/035_story_first.html
●Rinn products
ウェブサイト:http://rinnproducts.web.fc2.com/
過去記事:http://www.tohoku-manufacture.jp/story/056_story_first.html
●ボアラズ
フェイスブックページ:https://www.facebook.com/VoarLuz/
2017.7.28