物語後編

送られてきた着物を新たな製品に

s_IMG_5737最初は蔵に残っていた着物を使っていましたが、活動が新聞に取り上げられると、全国から着物が届くようになりました。さまざまな色・柄・素材の着物を見ていると、創作意欲が湧くといいます。

木田さん:一度も袖を通していないものや、京都の綿ちりめんなどもたくさん届きました。一生ものづくりができる位です。たくさんいただいた分、私たちも頑張らなくちゃって思います。

清水さん:感謝の気持ちをお伝えするため、いただいた生地で製品をつくって贈っています。お母さまの着物を送ってくれた方に巾着袋をつくってさしあげたら、「母がこんなに喜んでいる姿を久しぶりに見ました」と写真つきで手紙を送ってくださいました。

着物って日常生活でなかなか着る機会がないものですが、小物にするといつもそばに置いておくことができますよね。少しでも喜んでもらえていたら嬉しいです。

ものづくりによって生まれた交流

s_IMG_5696『ほどーる』には自前のウェブサイトがありません。しかし、製品に添えているカードなどから電話や手紙をもらうことがあるといいます。

清水さん:名古屋の方が「これを買いました」と写真つきで手紙をくださったり、東京でブックカバーを買ってくださった方が「ほかにはどんな製品があるんですか、周囲に広めたいので教えてください」と問い合わせしてくださったり。

「姉から帯地のポーチをもらいました、大事に使いますね」とショートメールが届いたこともありました。 名前も何もなかったのですが、「こうしてメールをくださるのは励みになります、頑張ります」と返したら、後日手紙が届いんです。「名前も名乗らず不躾なメールだったのにお返事をいただいて感激しました」とありました。

木田さん:新聞に取り上げてもらったことがあるんですが、新聞ってすごいですね。記事を読んだ茨城県に住んでいる80過ぎのおじいさんから、「健気に頑張っている姿に励まされた」と電話をいただきました。県庁、市役所、商工会議所とほうぼうに問い合わせて連絡先を調べてくださったそうです。

すごく元気のいいおじいさんで、茨城からわざわざ池袋まで行かれて、アンテナショップに私たちの製品を売り込んできてくださったりもしたんですよ。本当にありがたいなと思います。

s_IMG_5708気仙沼弁で“あたたまる”を意味する『ほどーる』という名前の通り、ものづくりを通して全国の人と心あたたまる交流が生まれた。おふたりはそう話しま
す。

清水さん:震災が無かったら知り合えなかった方々がたくさんいます。
震災から5年が過ぎても気にかけてくださっているんですよ。その気持ちにお応えして、長く続けていきたいと思っています。

 

ほどーる
連絡先:2kida.ya★gmail.com (★を@に変えてご連絡ください)

 

2016.4.8