『KUMIKI プロジェクト』は、家具から家までを簡単に組み立てられる木材キットを開発するプロジェクトです。発起人は、東京で「社会の困りごとの解決」をお手伝いする企画の仕事をしていた桑原憂貴さん。震災で「便利な社会」の脆さに直面し、生活の知恵を伝統技術から学び、暮らしを手づくりしていくことの必要性を感じたといいます。自らつくり、直せる生活や、誰かとともにつくりながら、手間を愛着に変えていく暮らし。「家具から家まで組立てられる木材キット」を通じて、つくる楽しさとつながる喜びのある時間を、東北から提案していきたい。そうした想いからこのプロジェクトを発案し、陸前高田を中心に活動しています。
製品は『KUMIKI HOUSE』と『KUMIKI LIVING』の2種類。『KUMIKI HOUSE』は、組み合わせて小屋や建物をつくることができるキットで、国産の間伐材を使用しています。大工の伝統技術「追い掛け継ぎ」と呼ばれる継ぎ手の技を使い、組み合わせれば地震にも強い強度を持ちます。
『KUMIKI LIVING』は、『KUMUKI HOUSE』よりも薄くて軽く、棚や椅子などの家具をつくるのに適しています。難しい工具は一切不要、手だけで組み立てられることがポイント。素材は、これまで使い途が乏しかった、節のある小さな気仙杉を使用しています。現在は復興住宅需要のため、地元木材関係者にとって0から1を生みだす試行錯誤の時間がとりにくい状況にあります。そのため、杉間伐材の有効利用や復興に強い関心を持っていた神奈川県の木工職人・湊哲一さんにご協力いただいて試作を繰り返し、地元で商品としてブラッシュアップするというやり方で製造しています。
横浜で注文家具を作っています。
家具製作のかわたら、横浜の水源でもある山梨県道志村の間伐材を使ったプロジェクトや横浜市産材を使ったプロジェクトなど地域資源を有効活用する活動を行っています。横浜だけではなく私の出身地である秋田県の杉を使ったプロダクト開発も行っている事もあり、隣県岩手県陸前高田でのお仕事、そして気仙杉の有効活用というお話を頂いた時はとても嬉しかったです。まだ試作品を作っている段階ですが、杉の有効活用方法を常に考えて形にして行きたいと考えています。
─────湊哲一(ミナトファニチャー代表)