つくり手は、平成11年から女川町で活動していた陶芸サークルのメンバー。震災で何もかも失い活動を諦めていましたが、京都造形芸術大学から電気焼成窯を寄贈され、活動を再開。女川町と地形や歴史など共通項が多いスペインのガリシア地方との異文化交流の話からスペインタイルと出会い、その技法を学んで工房をオープンしました。目標は、「色を失くしたまちをスペインタイルで明るく彩る」こと。希望を彩りに変え、女川の明るい未来を想像しながら、日々タイルの製作に励んでいます。
このマグネットは、スペイン製の素焼きタイルにスペインの釉薬と技法を使って、一枚一枚手描きで色づけしたもの。1000度近い高温で9時間かけて焼き上げているので、何年経っても絵柄が色褪せることはありません。セラミカ工房のオリジナルキャラクター「セラくん」「ミカちゃん」は、童話に出てきそうな優しい絵柄で人気を呼んでいます。
スペインタイルの製作工程は、これからの女川の復興の道程と重なります。今の女川は、タイルで言うと素焼きの状態。そこに下絵を描いて色づけしていくように、まちづくりが進んで再び彩りのあるまちになっていったら…と願っています。
─────阿部鳴美(代表)