震災の影響により、東北各地の縫製工場で仕事が減っているという現状があります。そこで、石巻・相馬・陸前高田の縫製工場や工房が連携し、自分たちのブランドを立ち上げることにしました。それが、ハワイをテーマにした服飾ブランド『キラ・ウエア』です。
ミシンも建物もない陸前高田の工房では仮設住宅でも手づくりできるハワイ風デコペンを、石巻や相馬の工房では工業用ミシンでフラダンスのパウスカートを製作しています。本場ハワイの生地をたっぷり4ヤード使用したパウはさまざまな色・柄があり、とても華やか。丈は3サイズあり、身長に合わせて選ぶことができます。全国の方に買ってもらえるよう、Yahoo!復興デパートメントなどインターネットを通して販売しています。
ハワイやフラをテーマにした理由は、ここ数年のフラブームが安定していることと、ハワイのモチーフが美しいこと。また、愛や融合を大事にするアロハの精神は、日本人の調和と助け合いの精神に近いことが挙げられます。
東日本大震災で、縫製工場が閉鎖されたり、またお仕事が減ったりしています。プロの縫製の方が、その技能を生かせる職に就けない状況は、大変な損失だと思います。海外の安価な製品におされ、東北だけでなく日本全体の「ものづくり」が危機に直面していると感じます。また、被災地の人々とっても、手仕事やものづくりは心を癒す作業であり、とりわけハワイの明るく美しい布地やリボンは、気持ちを晴れやかにしてくれます。フラダンサーの方々に喜んでもらえる商品をご提供しながら、東北の雇用促進に少しでも貢献できればと思い、頑張っています。
─────坂井一之(事務局)