気仙沼には昔から漁業や水産加工で使われる前掛けやシートを作るシート屋がたくさん存在していましたが、今回の津波で、数多くの仕事場や縫製工場が流されてしまいました。そこで、職場を失った職人の方々が自らの技術で気仙沼のために何か出来ないかと集まり、小さな工房を開きました。それが、GANBAARE株式会社のはじまりです。帆前掛けは、室町時代より漁師が古くなった船の帆を切って、腰に巻いたことに由来すると言われています。それは港町気仙沼には大切な、なくてはならない仕事着でもありました。
GANBAAREの帆前掛け製品は、デザインから縫製まですべてが職人たちの手づくりです。海と山に囲まれた気仙沼。気仙沼市の花・木・魚・鳥である「やまつつじ」「黒松」「鰹」「うみねこ」などの柄を使ってさまざまなデザインをおこし、生地を染め、一つひとつ丁寧に縫製しています。エプロンにするのはもちろん、タペストリーとして部屋のインテリアにする方もいます。
気仙沼に生きる人々がこの運命に立ち向かい、以前のような街が蘇ることを信じて。製品の「気仙沼」の文字とデザインには、そんな願いが込められています。
いつまでも気仙沼をこの出来事を忘れぬようそして、昔から縫製が盛んだった気仙沼の技術を持った職人が集まり、GANBAAREの製品作りが始まりました。間もなく震災から2年が過ぎようとしていますが、今もなお復興とは程遠い現実が目の前に広がっております。
それでも私たちは、現実に目を伏せず、この地で生きていかなければいけません。私たちGANBAAREは、丁寧に染め上げた藍色の生地と、色とりどりの50色以上も取り揃えた帆布で「美しく、可愛く、楽しい製品」を一つひとつ心を込めてお客様にお届けすることをモットーとし、細く長く気仙沼を発信していきたいと思っております。今後ともどうか気仙沼とGANBAAREを宜しく応援お願い致します。
───── 清水節子(店舗責任者)