丸みを帯びたシンプルなお魚の形のキーホルダーで、すべすべした木肌が特徴です。使用している木は「楓」「胡桃」「楢」「桜」の4種類。それぞれの色や風合いを楽しめます。
日曜大工用のベルトサンダーで木片を魚の形に削り、荒さの違う3種類のサンドペーパーで何度も磨き上げ、濡れタオルで拭いてけばを立たせて乾かしまた磨くという工程で、丁寧につくっています。
宮城県を中心に地域活性化イベントの企画・運営を行っていた湯浅輝樹さんは、震災の1ヶ月後に女川町を訪れ、言葉にならないほどのショックを受けました。「避難所やその周辺でできる仕事をつくり、収入を届けたい」「手仕事をすることで、地元の方の震災ストレスを少しでも和らげたい」という想いから、簡単な工具とシンプルな作業でつくれるキーホルダーを仲間と一緒に考案。水産加工の仕事を失った地元の女性たちにつくり手になってもらい、女川の新しい産業を育成する試みを始めました。
時とともに地震の記憶が薄れても、onagawa fishを見るたびに「気をつけなきゃ」と思ってもらいたい。そんな自然災害への啓蒙の意味も込められた製品です。
日に日に復興色が薄れる昨今、津波被災地は未だに数年先が見えない状況であり、仕事をつくりだしていくことは、震災前より抱えていた過疎化などの問題をも考えた復興後を見据えた街づくりに必要不可欠であります。
我々は『支援だから買おう』ではなく、『素敵だから買ったら……支援につながる商品だった』と言われるようなクオリティの高い商品作りをし続け、漁業依存型の産業構成から、産業の多角化をめざします。
───── 湯浅輝樹(代表)