トークイベント「ものづくりと心のケア」開催(3/31・神保町ブックセンター)2019.3.18UP
書籍『復興から自立へのものづくり』の出版記念トークイベントを開催します。
2012年から取材を続ける中で、たくさんの人から「手仕事をしている間は、津波や余震の恐怖、つらい記憶を忘れることができた」
「仮設住宅に引きこもっていた高齢女性がものづくりに参加したら、みるみるうちに元気になった」という話を聞きました。
ものづくりには、間違いなく人を癒す力がある。でも、それって具体的にはどういう作用が働いているんだろう? 単純に手を動かすことが脳の刺激になるの? 完成して達成感を味わうことがいいの? つくったものが誰かに喜ばれることが自信の回復につながるの? とずっと気になっていました。そこで今回は、さまざまな作業や手工芸を用いて心身の治療を行う作業療法士の方をお招きし、お話を伺います。
ものづくりの効用が明らかになれば、災害時だけでなく、グリーフケア、うつ病を始めとするこころの病気のケア、高齢者の認知症予防などにも応用できるかもしれません。
実際に、南三陸・陸前高田・石巻・東松島で活動する「ふっくら布ぞうりの会」では、「ものづくりで救われたから、今度は自分たちが誰かを助ける番」と、東北の女性たちが講師となり、うつ・引きこもりなどの難題を抱える首都圏の女性達に向けた布ぞうりの講習会を行っています。また、復興支援プロジェクト「EASTLOOP」で技術を磨いた女性たちが立ち上げた編み物会社「東北クロッシェ村」の夢は、東北にニットミュージアムを設立し、ものづくりの力を発信することだといいます。
現場の観点と精神医学的な観点、両方からものづくりの持つ力を探究したいと思います。
●登壇者:
・ご自身も石巻で被災された作業療法士の 中山 奈保子さん。「病気や障害、災害に負けない心と身体を」をテーマに執筆・講演活動を行っています。
・被災地でのコミュニティ作り、生きがい支援、経済的支援を目的として「ふっくら布ぞうりの会」を立ち上げた 工藤 賀子さん。現在は布ぞうりづくりをユニーバサル就労事業として展開するべく、多くの団体と恊働されています。
・一般社団法人つむぎやの 友廣 裕一くん。震災後すぐに牡鹿半島入りし、「地元の人たちが自分の役割だと感じられる仕事をつくろう」と、「OCICA」「マーマメイド」などのプロジェクトを立ち上げました。
・『復興から自立へのものづくり』著者の飛田恵美子。ライターとして、ソーシャルデザインやまちづくりをテーマに記事を書いています。
●日時
:3月31日15時〜17時
●会場 :神保町ブックセンター
東京都千代田区神田神保町2丁目3−1 岩波書店アネックス1F
03-6268-9064
(※3月31日まで、東北の手仕事品を販売するフェアも行っていただいています!)
●申込:
https://tohokumonozukuri.peatix.com/よりお申し込みください。
☆当日のイベントレポートを公開しました! ↓
https://note.com/hidaemi/n/nf9ae217df629
<『復興から自立へのものづくり』について>
ーー“ものづくり”でいかにして立ち上がったかーー
東日本大震災後、東北各地でものづくりによる復興プロジェクトが数多く立ち上がりました。その後、目の前の課題を解決するための試行錯誤を経て、しだいに復興という目的を超え、地域ビジネスに成長したプロジェクトも登場しています。その成長のプロセスには、人口減少、少子高齢化、産業の衰退など、いま全国の地方が直面する課題解決へのヒントもちりばめられています。
そうしたプロジェクトを現在までに80件以上取材し、成り立ちから作り手たちの思い、完成した商品までを丁寧に紹介してきたウェブサイト「東北マニュファクチュール・ストーリー」(http://www.tohoku-manufacture.jp/)に掲載されたものづくりの物語から、21話を厳選し、アップデートして一冊の本にまとめました。
なぜ“ものづくり”だったのか。たくさんのものを失った人たちが、手を動かし、ものをつくることにより、いかにして仕事や収入、生きがい、仲間、新しい居場所を見つけ、立ち上がっていったのか──震災から8年となるいまだからこそ、たくさんの人に知ってほしい物語です。
価格:本体1,600円+税
発売日:2019年3月1日
出版社;小学館
判型/頁:4-6/272頁
著者:飛田恵美子
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388676
<本件に関するお問い合わせ>
tohoku.manufacture(アットマーク)gmail.com までご連絡ください。(担当:ライター飛田恵美子)