つむぎやを訪ねて2013.4.20UP
このプロジェクトで最初に取材したのは、OCICAをプロデュースしている『一般社団法人つむぎや』でした。つむぎやは、このサイトを運営している仲間でもあります。
つむぎやのオフィス兼スタッフ住居に滞在し、様々な関係者のところに連れて行っていただきました。
ドライブ中に出会った光景。手前は砂浜かと思ったら…
牡蠣の殻でした。砂浜かと思ってうっかり素足になったら危険です。
終始、笑いに溢れていた作業現場。お母さんたちの指導のもと、私もOCICAをひとつ作らせていただきました。ヤスリがけを適当に終わらせようとすると「もっときれいに磨かないと」と止められ、糸を巻いていると「あ、ひとつ掛け違えてる。もう一回」と何度もやり直しになり。最終的には寛子さんにつくっていただいたようなものです。
お昼ごはんその1。つくり手さんのご自宅にお呼ばれし、捕れたばかりの牡蠣やムール貝をご馳走になりました。東京で食べるととても高価な食材が、ここではこんな風に惜しみなく提供されます。
お昼ごはんその2は、鮎川浜の『ぼっぽら食堂』で。同じくつむぎやがプロデュースしている『マーマメイド』のお母さんたちが作ってくれました。ミサンガを作って販売したお金と助成金を使って始まったお弁当屋さんです。
販売しているお弁当はこんな感じ。マーマメイドの皆さんは漁協の女性部の方達なので、地元で捕れたお魚を食材に使っています。でも、お魚ばかりだと飽きてしまうので、お肉と代わりばんこで入れているのだとか。
食堂には明るい笑い声が響いていましたが、周りを見渡せば半壊したまま宙ぶらりんになっている建物も。
下を見下ろすと、土や石に混じって、津波によって壊れたのであろうものが見つかります。
夕飯は、記事(#storyへのリンク)内で少し触れた丸信ワイルドミートの三浦さんと一緒に。鹿肉、猪肉、アザラシ肉…。たくさんの珍しいお肉をご馳走になりました。猪肉ベーコンの焼きそばが、もう絶品です。
マーマメイドのつくり手さんからいただいたサンマもお刺身に。これがまた美味しいのなんの…。
それにしても、このおすそわけやいただきものの多さ。つむぎやメンバーはほんとに地元の方達から可愛がられているんだなぁと実感しました。
翌日は快晴。海が太陽の光を受けてきらきらと光っていました。
石巻には震災一ヶ月後にボランティアで訪れたことがあります。かつて誰かの家やお店や会社だったものが「瓦礫」となって連なる風景に言葉を失った状態でしたが、車の中からふと見えた牡鹿半島の海岸線の美しさにはっとしたのを覚えています。
こういうところに住んだら気持ちいいだろうな。
自然とそう思い起こさせる、里山・里海の豊かな暮らし。
その時は「残念だけど、今回の震災で失われてしまうのかもしれないな…」と思っていましたが、その考えが間違いだったことを、目の前の海に浮かぶ数隻の船が教えてくれました。